お盆が過ぎると、連日38度、39度の猛暑もまるで嘘のように涼しくなり、アキアカネが飛ぶのを目にする。誠に自然は偉大である。
北京オリンピックも連日の山のようなニュースとともに視界から消え、「時代が変わった」ことを強調した、トヨタ自動車渡辺社長の講演記事が目に飛び込んできた。
順風満帆、順回転の経営環境が好業績をもたらしたが、今や原材料高やアメリカ市場低迷を受け、減収減益見込みを前に、危機感を強調した。そして、この逆風下こそ弱点克服の好機と捉え、積極的に現場に出て、「細かく、うるさく、しつこく」指示を出すと意気込んだそうである。「強いもの、賢いものではなく、環境変化に適応できたものだけが生き残ると」。さすがに含蓄のある言葉が並ぶ。
ところで、私も、12年間“四日市丸”の舵取りをやらせていただいて、今、退陣を前にして「時代が変わった」と痛切に感じるところである。地方自治体の運営(経営と言ってもよい)は、なにかと話題に富む大阪府の例を出すまでもなく、分権・自立の大波を前に一様に苦しんでいる。この先、どんな方法で、どのような波の中をこぎゆくのかをみんなが知りたく思っている。
強いもの、賢いものではなく、環境変化に適応できたものだけが生き残れる。この道を極めるには、それぞれの“現場”で、細かく、うるさく、しつこくリードできる人こそリーダーシップの勲章が与えられることだろう。
これからの“四日市丸”の航海の安全を祈らざるをえない。
2008.8.28
私は、新年度、職員を前に「表題」について大略以下の話を致しました。
本市は厳しい財政状況にあるなか、これまでに第一次の戦略プランを策定し、政策プラン、財政プラン、そして行革プランの三つのプランの運動を図りながら、「選択と集中」による重点事業や九つの基本目的に基づき事務事業を三カ年にわたって展開してきた。
そして一方では、外部委託の推進や職員定数の削減などの行財政改革や財政運営の指針に基づいた「財政の健全化」を図りながら、着実な行政運営を行ってきた。
その結果、一般会計の起債(借入金)残高の縮小や簡素で効率的な役所づくりに努め、一定の成果をあげることが出来たと思っている。しかしながら、企業会計(下水道事業など)における起債残高や土地開発公社の債務残高は依然高い水準にあって、平成19年度からの第2次戦略プランでは、この企業会計や特別会計を含めた全会計における「後年度財政負担軽減に向け一定の方向性」を出すとともに、新保々工業団地などの土地開発公社を始めとした不良債権処理を着実に進めていくことにした。
このような状況のなか、北海道夕張市の破綻を契機に、昨年6月15日に「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」が成立した。これによって、全国の自治体は、毎年度実質的な赤字や公社・第三セクターなどを含めた将来負担などにかかる四つの指標を議会に報告し、公表することが義務付けられた。
そしてこれらの指標の一つでも一定の基準を超えて、俗にイエローカードに該当する場合には、議会の承認を経て、財政健全化計画を作り、外部監査を求めなければならなくなった。
ひるがえって本市の財政状況を見ると、下水道事業などの公営企業や土地開発公社などは残念ながらその債務残高が高く、依然として厳しい状況にある。だから、「今このときに」直面する財政課題に全力で取り組んでいかねばならない。
昨年6月、北海道夕張市は、財政上の行き詰まりから自力で市政経営が出来なくなったと、破綻による全面救援を道庁及び政府に申請した。
この1年間、あのおいしい夕張メロンで有名な夕張市がマスコミの話題をさらうこととなった。
あるときは「6月のボーナス」をもらってそのうえでのギブアップ宣言でなかったのかとか、監督指導の道庁は本当に知らなかったのか、さらに住民は逃げ出すのかと、いろいろ報じられた。そして漸く最近になって、352億円の借金をひとまず北海道が立て替え清算して、これを再生夕張市が向こう18年間の分割で払っていく、そして新しい市長も選挙で選ばれたこと、さらに市役所職員はほぼ半数が残り、給与もおおむね3割カットされたと。
こんな話題をみなさんに提供することは私の立場では実につらいことです。しかし、実はこのニュースを知って、私はびっくりするとともに、わが四日市はと思ったとたんに、一瞬身体がこわばったのも事実です。どうしてこんなことが現実になるのか。それは350人余の市の職員のうち、ほんの一握りの人達しか、財政運営上の危機の実態を知らなかったからである。ほとんどの職員は知らされていなかったからとの弁解を言って、まさに“私は無関係”なのである。だから毎日毎日の仕事で、危機に際してどうあるべきかの立場・認識に立って仕事をしていないからである。このことこそ真剣にとらえられなければならない。もちろん責任の第一は当時の市長にあることは明白である。
静岡県熱海市では、昨年こんなことがあった。市長選挙が行われ、財政再建を公約した市長が当選した。就任してすぐにその市長は熱海市財政危機宣言を表明した。ところが市議会も商工会議所も揃って「けしからん、直ちにこの宣言を撤回せよ」とせまった。もちろん市議会は紛糾した。ホテル旅館組合もお客の足が遠のくとの理由から市長に撤回をせまった。結局、財政健全化への道を足並み揃えて進むことでひとまず決着をみた。これも昨年のことである。
私も市の財政運営には一瞬の油断もすることなく、四日市市の健全財政への道のりを着実に歩んでいかねばと思うこの頃です。
“市民の活動が活発になるよう願っています”
私は就任以来、繰り返し発言してきた挨拶です。これに対し、時には何でも安くやろう、役所は逃げ出すぞとのかげぐちを聞いたことも少なくありません。しかし、最近の四日市では、実に見事で頼もしい市民活動の数々が、それも「まちつくりの一環」と評価できる内容のある持続する活動が、次から次へと現れてきました。正直、びっくりの連続です。あの猛暑が去りつつあった今夏8月終わりから9月にかけて、市内で開催された「行事」をみても、21世紀へ向けての市民活動が連続して展開され、まさに圧巻の日々でした。
浜田小学校での浜田地区防災訓練では地区の地図上での危険個所記入(河川、土地、建物等)訓練や「安全なまちつくりは良好な近隣関係から」(総合会館)の防犯連絡協議会(19団体加盟)のシンポジウム、それから「楠健康ふれあいフェスタ」(楠緑地公園)、文化会館第一ホールで満席になった「早寝早起き朝ごはん(子どもの生活リズム向上のフォーラム)」さらには「シニアまちつくり人材養成講座(団塊シニアのパワーを地域に)」が四日市大学で始まったことなど、花盛りの観でした。
こんなに盛んになったが、その背景に何があるのだろうか。ひょっとすると役場(行政)の身代わり(ダミー)がやっているかも。いや、正真正銘の市民からなる各種団体の社会のニーズに合わせた真剣勝負の活動ばかりです。最近こんな議論がよくなされます。21世紀は市民の時代と言われています。多数の主体が公共領域で活動する「新しい公共」は世界の潮流ともなっています。特に市民が担う市民活動は、公共サービスの受け手である市民に最も近い立場にあることから、価値観の多様化に即応した、きめ細かな公共サービスの提供ができる主体として、他の担い手とは異なる価値をもっている。
そして公共サービスの提供だけでなく、「自分たちでできることは自分たちでする」という市民自治の観点からも、市民活動の促進は市政にとって重要な取組課題であると。従ってこれを持続的に発展できる仕組みを作らないといけない。そうです、市役所も市民団体のこうした市民活動に『個性あるまちつくり』を支援する助成制度を導入して、懸命にその推進をはかって来ております。これは自立都市、自活都市(地方分権のゴール)をめざす決め手になるからです。
市民参加のまちつくりから、今や市民の「参画」によるまちつくり(市民主役のまちの実現)へ移って来ております。四日市市のめざす都市像はまさにこのことなのです。
会報第16号(2006年6月発行)
YYウェーブ21の皆さまには平素より何かとお支えをいただき心より感謝申し上げます。
さて、平成18年(2006年)に入って、私はYYウェーブ21の「市政勉強会」でテーマ毎の市政報告をしてきました。土地開発公社の問題と題しての1月28日、四日市港の展望を3月25日、そして中核市についての5月27日と、いずれも奇数月の第4土曜日午後2時より四日市市文化会館会議室にて行いました。
どの勉強会でも熱心にして大勢の参加者で、ただただ頭の下がる思いでした。勿論、報告する私も資料を準備し、黒板を使い熱弁をふるいましたが、ノートをとる人も多く、これほどまでに市政への関心が高いとは、まさに想定外でありました。
年内の予定は、7月29日、9月30日、そして市政報告会を兼ねて12月2日です。いつまで続けるかは未定ですが、テーマがある限り続けるつもりですのでご参加下さい。土曜日午後2時より、場所は四日市市文化会館会議室です。
ところで、この勉強会での報告という仕事は、市長職に就いて10年目の私にとりまして、実に貴重なものになりつつあります。これまでの舵取りに間違いはなかったかの点検に始まり、そして何よりも問題・課題の整理になります。
孤独なポストといわれる市長職に就き、山積する日常業務は裏を返せば、山積する決断事項であり、これを処理する毎日は、ともすれば後ろを振り返る余裕のない日々の連続です。まして多くの市民を前に、整理をした上で大さなテーマについて、その問題の発端から経緯そして解決策、さらにその結果への評価と反省という一連の報告は整理すればするほどに問題点や課題を浮き彫りにさせずにはおかないものです。
ところが、往々にして政治は結果がすべてとか、結果責任こそ取り上げられるべきとの声に押し流され、後ろを冷静沈着に見つめることが少ないことは否定できません。
それに加えて、思わぬ成果が早くも現れてきております。ひとまずの解決で落着した問題も、これから先の課題とか、残された問題への新たな解決への挑戦策が見えてきたことです。越えられないと思われた大さな障害も、解決への糸口が遠く霞んではいても見えてきた、そんな感じの成果が現れてきました。
また、この勉強会に出席した市民から、自分の別のグループの集まりに是非とも市政報告でやってほしいとの依頼を受けました。そこで他日、50人ほどの集まりで四日市港の展望につき改めて報告することになりました。このように勉強会の成果は、これからもまだまだ出てくると思われます。
皆様の変わらぬご声援を背に、私はますます頑張っていく所存です。

3月31日海上アクセスオープン式典。FMよっかいちサテライトスタジオで、常滑市長とトーク。
会報第15号(2005年10月発行)
ごぶさたでした。ずいぶん長い間、本当に申し訳ありませんでした。
まず、昨年11月28日私の三期目の市長選挙、熱いご支援誠にありがとうございました。引き続き市政の舵取りを担当させて頂くことになり、その責任の重さをかみしめております。九年目に入り、一段と力をこめ、毎日激務に精励しております。幸いにも健康は万全でありますから、気力を一層充実させ頑張ります。
一足飛びに今夏9月11日の衆議院総選挙についてふれます。政権与党の大勝となりました。その結果、懸案であった郵政民営化法案は近く衆参両院を通過して成立となるでしょう。代表質問で、小泉首相は、これまで使い道が道路整備に限定され硬直化が指摘される道路特定財源について、暫定増税下の税制との関係や使い道のあり方を見直し、年内にその検討策を出せと指示した旨明言しました。さらに、これに先立ち、地方分権の中身となる地方自治体に税源をより一層移譲し、補助金等を削減するいわゆる三位一体改革をより一層前へ進めることや、国家公務員の定数削減を含む総人件費も抑制どころか削減するための見直しも進める(年内に実施計画を作る)旨言明されました。地方自治体も、まさに構造改革をそのスピードアップとともに本腰を入れなければならなくなってきました。
これらはすべてが9月11日の総選挙の結果からとはにわかに断定できませんが、従来に比べより大きな変化であることは間違いありません。
さて、四日市市議会も2月7日の楠町との合併を経て、総数52人の市議会議員構成で3月・6月そして9月と定例の議会を経過しました。議場が前より一段と大きく見える感じです。(実際には変わりなく、議席が増えたが)9月定例議会では、平成16年度決算審議も同時進行していることから、その審議(決算)もなされました。この中で、財政運営もかなり堅調であるが、財政調整基金額が少なすぎるのではないかとの質問がありました。これは普通の家庭での小口普通預金に匹敵するもので、この基金目標額が四日市市では従来より目標30億(現実は平成16年度末21億2千万円)であることからの質問です。確かに、東海地震や東南海地震の発生の恐れや地球温暖化に伴う災害発生の恐れもかなり強くなる今日、まさかのときの備えの面からも総決算額(一般会計)970億の3.1%弱の該当額が目標額(達成を平成18年度)でかつ実現額はそれをも大幅に不足する現実は、比較他都市の実例からも再検討をしてはどうかと、まさに財政の健全化につきその根本にかかわる質問もなされました。(倍ぐらいが適当ではないかと)
ところで、こんな新聞報道を最近目にしました。名古屋市発注の建築工事で談合をしたとして、同市より損害賠償を求められた建築会社55社が、約11億円の支払裁務がないことの確認を求める訴訟が名古屋地方裁判所に起こされたとのこと。この55社は公正取引委員会の調査に対し、談合の事実を認めて課徴金を払ったが、名古屋市に対しては損害を与えてはいないとの主張からのようです。大変にわかりにくくかつ厳しい環境にあることを痛感した次第です。(決着には数年かかるでしょう。)
今、人々は少子高齢社会(そのスピードは世界に例がないほど速い)、低成長経済状況下で、将来への明確な展望を描くことができず、政治家もこれを提示し得ない状況で、まさに大きな不安の中で暮らしているといわれております。夢がない中で、「財政の健全化のみを言う井上市長」と私への批判も議会ではあります。そのうえ、最近では人口減も2〜3年先のことと考えていた総務省も、本年から起こるかもしれないと言い出しました。まさに不安の中で、経済は踊り場を抜け出して一層活況に入る予測をマスコミは報じております。この将来像が明確に描けないことは大きな課題です。四日市市の将来像はどうかになります。2200万人を呼んだ愛知万博も終わりました今日、はっきり将来のまちの姿を描かねばなりません。中心市街地をコンパクトな形でよいから賑わい溢れるまちになるよう叫ばれ、近鉄四日市駅東の再開発も急がねばなりません。そして、市民の皆さんが生活の満足感を味わえるよう、生きがいや安心感、さらには誇りが持てる生活実感を求めて、文化施策も含めて新たなまちづくりに頑張る所存です。
会報第14号(2004年9月発行)
私は、去る6月4日の市議会本会議で、11月28日執行の四日市市長選挙に三選を期し、出馬することを表明しました。奇しくも、その翌日の日刊紙に「四日市市のトップセールス」と題しての市の現況紹介記事が掲載されました。以下引用します(少し長いですが原文のまま)。
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四日市市の自慢は、まちつくりを支える「三つの頑張り」です。
一つ目は「市民の頑張り」。別山団地の住民が昨春、青色回転灯の車を使って始めた防犯パトロールは、各方面へ反響を呼びました。これがさらに市内全域へと広がり、不審者から子どもを守る子育てパトロールや、はいかい老人を救う老人パトロールといった風に、地域の実情に会わせていろんな形に変化していけばいいと願っています。
バス路線の存続を望む羽津地区の住民が、廃線後に自主運行を始めた「生活バスよっかいち」もそう。里山の保全と竹炭つくりに励むあかつき台の団体や、EM(有用微生物群)を使って河川浄化に取り組む団体もあり、本市には、よそに自慢できる市民活動の芽がどんどん育っています。
二つ目は「産業の頑張り」です。本市は昨年4月、「技術集積活用型産業再生特区」の第1号に選ばれました。これによってコンビナート企業をはじめ、市内のさまざまな関連企業の間で新たな設備投資が進み、経済効果が着実に生まれています。
がんじがらめの規制に風穴を開ける構造改革特区はさまざまですが、既成の産業構造にくさびを打つ特区は本市が初めてでした。公害を経験した街だからこそ、厳しい規制が必要なわけですが、それがいつまでも続けば、やがて企業は疲弊してしまう。安全性を保つ一方で、「四日市で実験的な規制緩和をやってもらおう」と国が判断したことに、本市の特区の意義の大きさを感じます。
最後の三つ目は「行政の頑張り」です。本市は昨年度の予算編成から、「総額管理枠配分方式」を導入しました。「これだけの事業にはこれだけの金がいる」という従来の積み上げ方式に対し、枠配分方式は、「これだけしか金がないから、その中でやり繰りする」という考え方です。
まさに逆転の発想ですが、この方式の導入によって長期的な予算編成と行政評価が可能になりました。人減らしや機構改革ではなく、予算編成こそが「行革の極致」だと思います。
このように市民、企業、行政は一緒にまちつくりを担うことが大事です。政府が上位主体となる「ガバメント(政府)社会」から、みんなが横の関係で連携する「ガバナンス(統治)社会」へ、持続可能なまちつくりに向け、社会のあり方も問われています。
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この記事に補足説明があると、わがまちの現況と近未来像がさらに一層はっきりすると思い、以下説明します。
別山団地の住民パトロール活動は、市内の防犯に悩む数多くの市民に、自分達もパトロールをやろうとの動きを起こさせました。ちなみに、本年度の個性あるまちつくり支援活動の募集に際して、この別山安全なまちつくり推進委員会への助成のみならず、実に9件の立ち上がり支援認定がありました。自分達で自分達のまちを守ろうと空き巣や車上狙いの盗難を無くす運動の古くは、犯罪多発に悩んだアメリカ・ニューヨーク市で1970年代末に始まったと言われます。今日わが国でも、繁華街では地元自治会や町内会さらには婦人会が、商店街の人達と協力して活動しておりますが、四日市の別山パトロールは、住民が防犯パト用自動車に「青色回転灯」を使うケースで、道路運送車両法上の問題をも提起しております。さらに、羽津地区の住民による生活バスよっかいちは、本年から1回100円の有料で、近鉄霞ヶ浦駅より市北部の郊外型スーパーまで、8.4kmの区間を1日5.5往復バス運行中です。病院、パン屋、歯科医院、郵便局やスーパー等9社の応援を受け、地域の高齢者に喜ばれております。この2件の市民活動の実態は、NHK「ご近所の底力」という全国放映番組で紹介され、まさに輝かしい住民パワーの好例でしょう。
産業再生特区による産業の頑張りは、昨年4月24日の構造改革推進のための特区認定により、既に市内の石油精製プラントの改修工事に着手されております。この会社はプラント改修工事が完成すると、従来のプラントの一部を改修部プラントに合体させて、新しいプラントとして稼働を始めます。四日市のコンビナートは、日本で一番早く出来たことから一番早く転換期がきたともいわれ、その再生は全国のコンビナート地域の再生のモデルになることが期待されております。さらに本年6月には、工業団地に賃貸契約も可能となる特区認定を当市は受け、すぐさま福岡本社の会社の当市進出も決まりました。
こうして、日本の構造改革の推進のための特例を認める特区制度は、さまざまな法的規制や社会的規制のあらゆる面での新たな見直しに波及しており、今後四日市市も前述の「青色回転灯」の専用車両のみ認めるという壁を特区制度で乗り越えんとしております。
要は、都市基盤整備のストックや有用な産業集積のストック、さらには恵まれた立地上の有利性を十分に活用して、持続可能なまちつくりをはかろうとする面で、四日市のもつ総合的な「都市力」「地域力」が活かされることです。この面をバックアップするのが、記事の三番目の行政の頑張りであるということはいうまでもありません。これだけの事業にはこれだけの金が要るとの従来の積み上げ方式予算編成は、現在も国や多くの自治体で採用されつづけています(シーリング方式という財政部のカットで調整)。しかし、これは右肩上がりの経済社会に適合していても、今日の少子高齢社会そして右肩下がりの経済で、はたして膨張による財政負担の増大への不安は除去できるのでしょうか。四日市市は楠町との合併により30万都市となり、近く中核市をめざす都市ですが、財政健全化の中で、持続可能なまちとして発展していかねばなりません。四日市港もこのほど名古屋港とともに伊勢湾港としてのスーパー中枢港に認定されましたが、その立地条件の良さと従来より持つ有用な資源ストックを活用して、発展への持続可能なまちでなければなりません。予算編成に新方式で挑み、そして政策展開と行政評価と歳入見込み予算を組み合わせた経営戦略ビジョンの構築で、新たなるまちつくりを支えていく決意です。
会報第13号(2004年4月発行)
四日市市の向こう1年間の予算を決める3月定例市議会が3月24日閉会となった。最終日の本会で、新年度予算案のうち、JR四日市貨物駅移転用地を市土地開発公社から市が10億2260万円で買い取る事業費分を減額する修正案が可決された。つまりこの事業予算が否決された。
その理由は、本来この事業(JR四日市駅連続立体化並びに周辺整備事業)は大別して、連続立体化による踏切の高架化と、広大な貨物列車ヤードを北へ約2km移転させ、その跡地を区画整理により街の再開発をはかるという、三つの大事業の合体で、総額720億円が見込まれ、国・県・市そしてJR2社その他が関与する内容のものであり、そのうちの貨物基地移転用地として、平成6年より市が土地開発公社に買収依頼をなし、途中まで用地買収していた部分を、市がこの際買い戻しを決めて、予算に計上したものであった。
ところで、この事業は最近の経済社会事情から、事業費の財政負担の見通しが極めて厳しく、市は関係機関と協議のうえ、平成14年8月にひとまず事業の一時休止(凍結)を決めたものであった。それにも拘わらず、どうして途中まで一部買収した用地を市が買い戻しをはかろうとしたかといえば、報道でも書かれたように、市土地開発公社の健全化計画の中に組み込みたいと考えたからであった。
ご承知の如く、バブル時代、全国の自治体の多くは土地の先行取得に励んだが、その見通しを誤り、多くの未利用土地をかかえ込むこととなった。
四日市市もその例外でなく、市土地開発公社には未利用地が多く残り、それを利用(開発してから売却の部分も含み)せんとするも、時代の流れが大きく変わり、思うにまかせない事態になった。しかしこのまま放置すると借入金利の負担と土地実勢価格の下落により、後世に大きなツケを残し、ひいては市全体の財政運営に支障をきたしかねないこととなる。塩漬け土地と非難される未利用地を、可及的速やかに市が買い戻し、10年をめどに活用(売却、賃貸も含め)をはかる必要がある。
ところで買い戻しにはまた多額の借入金が必要となるが、政府は全国の自治体がこのような実情にあることをふまえ、総務省所定のルールに従って買い戻しをする自治体に対しては、一定の有利な条件(金利支援策)を与える政策を打ち出した。
四日市市もこの国の政策に乗って、買い戻し計画を平成13年度から5年間計画で進めてきている。この政策実行の内容に、盛り込んだのが本件であったが、議会では十分な理解が得られず、否決された。事業全体につき、再開後の見通しを示せとの意見に、とりあえずは10年間で可能な道路用地整備等の部分見通しで勘弁して欲しい(健全化政策遂行上の理由もあり)との市の意向とが、激しく衝突したといえばいえよう。
従って、議会側も予算修正案可決に、付帯決議を一緒に付けた。この決議は、減額相当分の別の土地を本年度内に買い戻すか、事業計画をより一層明確にしたうえで、再度提出するかしなさいという内容であった。憲法、地方自治法には、住民の選挙で選ばれた議員で構成される地方議会に、予算の決定権を与え、一定の人事に関する同意権や、条例や重要な契約締結への議決権、さらには決算審議においても執行機関(市)の意思決定に大きく関与している。これを議会の監視的機能とも言われるが、今回の四日市市議会3月定例議会では車の両輪とよく例えられる議会と執行機関の関係が、否決という歓迎されない形にはあったが、住民によく見えたかもしれない。市長としての私は反省するところ大である。(他の否決案件も含めて)
会報第12号(2003年6月発行)
FM Port Wave「市役所発!丸ごとよっかいち〜サンデーメッセージ〜」
5月4・11・18・25日放送より編集

小泉首相から特区認定書を受け取った井上市長(中日新聞より)
アナウンサー:こんにちは、日曜日をいかがお過ごしでしょうか。この番組「市役所発!丸ごとよっかいち〜サンデーメッセージ〜」では、毎週日曜日に四日市市の市政の方向や重要な施策などのお話をお送りしています。4月21日に国に認定された「構造改革特区計画」について井上市長からお話を伺いします。まず始めに、「計画」が認定された今のお気持ちはどうですか。
市長:おかげで、先日全国に先駆けて第1号認定を受けることができました。これは四日市市の2年越しの望みがようやく実現をみたもので、四日市市としては大変喜んでいます。第1号認定は全国で57件ありましたが、四日市市の計画は、単にそのうちのひとつというのではなく、国が発表した代表的な10事例のひとつに取り上げられており、きわめて期待度が高いとの評価を受けております。今回の認定は、ようやくスタート台に立ったというところであり、これからの取り組みが何より重要と心を引き締めているところです。
アナウンサー:この「特区」の認定を受けることで、具体的にはどのようなことができるのですか?
市長:はい、四日市市のコンビナートは、現存する最も古いコンビナートです。その周辺に自動車産業や電機産業などの消費者直結型の産業があったことや、四日市港などの産業インフラが整っていたことから、コンビナートの形成は日本の産業にとっても極めて合理的なものでした。そういった周辺の事業所に対して、プラスチック原料などの安価な石油化学製品を大量に製造・供給してきました。ところが、その後、国内には次々と新しいコンビナートができ、また、最近は人件費の問題もあり、中国や東南アジアにも最新の設備を整えたプラントができたため、生産性の劣る四日市ではもうこれまでのような生産形態では困難となってきました。そこで、今までに培われた技術や人材を十分活用して、より付加価値の高い製品を製造することが次の方向となってきました。例えば、金属より軽く加工性にも優れ、軽量化が進む自動車やIT製品などに使われるエンジニアリングプラスチックとか、携帯電話などに使用されるリチウム電池の電解液などです。そのような製品用のプラントにどんどん切り替えられればいいのですが、現実には、様々な規制が存在しており、土地利用の転換がしにくいのが実態でした。その規制の代表的なものが「レイアウト規制」です。今回の特区の認定により、昭和四日市石油さんが新しいプラントの具体的な検討に入り、ほかの事業所さんも同様の動きをしております。
アナウンサー:市長、すみません。レイアウト規制ってなんですか。
市長:工場の敷地を、製品を製造するエリアと油を貯蔵するタンクエリアなどに分けて、それぞれの間を決められた幅の道路で区切るといった規制で、災害が発生したときの消防活動を円滑に行い、災害の拡大を防止することを目的としています。その規制のため、建て替えを行おうとしても、新たに道路を確保したり建物を後退させて建て替えるなどの必要があることから工場の建て替えが進まず、その結果、工場が古くなり、かえって安全面でも問題が現れてきました。今回の特区では、道路幅の確保や建物を後退させる代わりに、消防車が活動しやすい空き地を確保したり、地面から巨大な水のカーテンが吹き上げることで火災の拡大を防ぐ消防設備を新たに設置するなどの方法により、法律で求めている安全性と同等以上の安全が十分確保できると国に認められたことから、規制の特例が適用されることとなりました。産業の活性化とコンビナートの安全性の向上を一度に行えることとなったわけです。
アナウンサー:それは大いに期待していいですね。
市長:はい、臨海部工業地帯の再生に向けて大いに期待していただきたいと思います。
アナウンサー:ただいまは、構造改革特区の「レイアウト規制」を中心にお話しいただきましたが、次に四日市港の活性化と新たな産業分野への展開についてお話を伺います。まず、四日市港の活性化についてお願いします。
市長:はい、皆さんご存じのとおり四日市市は港町でもあります。昔から貿易・物流の拠点として機能し、四日市港があるが故に、今日の産業都市四日市があるわけです。名古屋港と比べて伊勢湾の入口に近い四日市港は、運搬時間が2時間も短縮される利点があります。これを活かし、神戸港や大阪港などを利用している荷物を四日市港へ集め、名古屋港との共存共栄を図っていくためには、荷主さんの求めに応じた弾力的で低コストな、使いやすい港を目指すことが必要です。そのため、今回は関税法について、2つの規制改革を申請し、認められました。1つ目は税関による通関業務の時間帯についてです。これまでは原則として午後5時までに限られていましたが、今回24時間・365日化が認められました。そこで、当面平日の2時間の時間延長がスタートします。2つ目はその時間外に利用することでかかる手数料の軽減が可能になり、これまでの半額になりました。このことにより、四日市港を利用される企業の皆さんには利便性、コストの両面からかなり有利になるのではないかと思います。その効果により、さらに四日市港に集まる荷物が増加すれば、一層の時間延長も可能となり、ますます使いやすい港への脱皮を図っていくことができます。
アナウンサー:なるほど、そうして四日市港が一層活気づくのですね。次に新しい産業の展開について教えていただけますか。
市長:はい、新たな成長産業としては、燃料電池が注目を集めており、臨海部工業地帯の各事業所は、蓄積する技術や人材の活用により、燃料電池産業への進出を目指しています。従って、本市内において家庭用燃料電池の実証試験を行いやすい環境を整えることが非常に大切になってきます。そのため、今回の特区申請には、電気事業法に関する2つの規制改革を申請し、認められました。1つは、現在燃料電池は家庭用のような小型のものでも業務用の発電機と同じ扱いで電気主任技術者をおかなければなりません。それが、今回の改革で、地域に設ける中立的な評価委員会で安全性についての審査を受けた場合には、電気主任技術者を置かなくても、各家庭に設置できるようになりました。また、燃料電池が停止した場合に安全性を保つために必要とされている不活性ガス(窒素ガスボンベ)の設置についても、同様の審査を受けることで不要になるなど、地域が責任を持って安全な環境を整備することにより、新しい時代にあった産業への転換が進み、地域経済の活性化に弾みがつくことになりました。
アナウンサー:なるほど、そうして「高付加価値素材産業」や「新たな産業」へと転換し、競争力のある地域になっていくのですね。ところで、市の方でも何か独自の支援措置など行うのですか。
市長:はい、市でもそうした産業へ転換していく基礎となる、各事業所の研究開発を支援するために、今年度「民間研究所立地奨励金制度」を制定します。県でも同様の制度を検討しており、歩調を合わせて研究開発拠点化を強力に支援していきます。また、平成12年に制定した企業立地促進条例による、製造設備などの新設や増設に対する奨励金も引き続き実施しており、要件があえば併せてご利用いただけます。とにかく、今回の認定で地域の再生に大きな弾みがつくものと期待しております。また、そのためには、国に規制改革を求めるだけではなく、地方自治体としても、企業の皆さん、市民の皆さんと一体となったまちづくりを進め、より豊かで活力ある都市を目指していきたいと思います。
アナウンサー:具体的な事業の内容や取り組みをお聞きして、この「特区」が臨海部工業地帯の再生には欠かせないものであり、四日市市の産業全体の発展のカギをにぎっていることがよく理解できました。井上市長、本日はどうもありがとうございました。
会報第11号(2002年10月発行)
新聞は、この9月26日に、政府構造改革特区推進室が、この度の地方自治体の特区創設提案のほとんどに対し、関係省庁が反対していることを伝えている。そして、地域の医療・教育分野への株式会社参入を認めない等、1,045件の規制緩和の要望に対し「特区で対応可能」との省庁の回答は90件どまりで、経済活性化のための特区実現には小泉首相が指導力を発揮する必要があることも強調している。
みなさんは「構造改革特区」なる字句に初めて接した人もいるのではないだろうか。何のこと? 四日市に関係あるの? 実は、わがまち四日市市にとってこの特区は大いに関係がある。特別区の認定を政府より取って、苦しんでいる諸規制を緩和し或は撤廃して、伸び伸びと経済社会活動を行い、もって地域の活性化をはかる、このための特区申請を四日市市もこの8月に三重県や四日市港管理組合さらに地元企業のみなさんの応援を得て、政府に申請しているところである。
ご存知のように国会でしか制定出来ない法律は、原則日本全国一律の適用であり、この法律によるさまざまな規制は、活力を失い疲れきっている特定の地方にとっては、やっかいなものにしか映りえないことが多い。勿論、住民の安全や健康に関する規制や青少年の健全な育成のための規制は必要であり、堅持するものであるが。従って経済の活性化を目指すには、まず特定の地域を対象にその特有の規則の緩和策等を実験的に導入しようとするものである。
ところで、石油化学コンビナートで有名な四日市の臨海部工場地帯は最近ともすれば活力がないと言われている。三菱化学の巨大なエチレンプラントも昨年初めに稼働をやめて今ではその外観だけがそびえ立っている。そしてこのエチレンを原料とする水素ガス製造会社工場もこの影響をもろに受けて稼動を停止した。駅前百貨店の撤退や商店街の空洞化の流れが今なお続くことも加わり、四日市市の最大の悩みである。日本で最初に作られたコンビナートであるから、他地域の新鋭プラントに比べ、コスト競争に勝ち残れず消えていくのは当然、とすまし顔で言う人達もいるかもしれない。しかし、実は四日市市の主要な事業所は時代の変化にともなうニーズに対応する商品を供給せんとここまで懸命に努力してきた。しかし、古いプラントを取り除き、、新しいプラントや装置をつくろうとすると、従来からあるもろもろの法的規制が邪魔して容易にこの作り変えが出来ない。こんな事情が潜んでいる。従来型の基礎素材産業から高付加価値素材産業への脱皮が四日市のコンビナートにとって必須であると言われながらも、思うように脱皮が出来ない事情がこれである。しかしながら、天然の良港を持ち、豊富な工業用水や道路をはじめ産業インフラ整備は整い、立地上の優位性は、化学・電気・半導体・自動車・液晶やメディカル方面も加えた先端産業集積度は抜群で、これらを加えられればむしろ四日市市は新産業が誕生してもおかしくない地域であると専門家も指摘してきた。例えば、燃料電池の研究開発拠点や環境産業の拠点など。
このような分析はこれまでの研究実績から十分承知していながら、思うようには事態の打開ができないまま今日を迎えている。こうした中でこのたびの経済再生のための特区申請に至ったのである。この特区申請の正式名称は三重県技術集積活用型産業再生特区となっており、この年度末には激戦を乗り越えて政府の第1次認定特区となるよう努力を続ける決意である。市民のみなさんも十分関心を持ち、今後のマスコミの報道に注目していただきたい。
会報第10号(2002年5月発行)
「四日市の道路はどんづまりばかり」「“渋滞”が特徴や」などとよく言われます。市長の私は本当に頭が痛い問題です。
ところが最近、「四日市のあたりに道路が集まるように見えるがどうなっているのか」との声も聞かれる。「えっどんな意味で」と思わず聞き直してしまう。
伊勢湾岸自動車道(第2名神高速道路)が去る3月24日弥富インターよりみえ川越インターまで開通、東名阪自動車道四日市インターと四日市市街地を結ぶ国道477号バイパス(三滝川左岸道路)が平成15年春接続となる予定、さらに特定重要港湾である四日市港へのアクセス道路として富田山城線の全線4車線化、国道1号との立体工事も平成17年春完成予定のことを指摘している質問のようだ。
次の問いも重要である。「毎日6万台を超える過剰な自動車通行量でパンク状態の1号線と23号線の解決線といわれる北勢バイパス道路はどうなっているのか」。
これには、平成19年頃にはなんとか第2名神川越インターよりの側道も含め富田山城線までつながる見込みと答えています。その先は少し時間をください。
こうしてみると、高速もしくは高規格道路が四日市周辺に集まってくるとの表現も決して嘘ではない。第2名神は川越インターからさらに伊坂台公園付近の仮称四日市ジャンクションまでも平成15年には供用見込みであり、また東海環状自動車との接点である仮称四日市北ジャンクション(東名阪道桑名インターと同四日市東インターのほぼ中間点)までもその早期の供用開始が待たれている。まさに四日市市は三重県北勢地域の北の玄関口であることがよくわかる。る。平成20年以降の話をすると鬼が笑うといわれかねないが、東海環状自動車道は、まさに名古屋港をはさみ、東は豊田、土岐、岐阜と、西は四日市、大垣から岐阜へと大環状線が形成される。この道路はなんと、東海北陸自動車道、中央自動車道、第2東名高速道路、第2名神高速道路そして東名阪自動車道と接続する巨大環状を形成することとなる。
ところで四日市市は全国ベストテンに入る特定重要港湾を持ち、これがマイナス14メートル岸壁工事も昨年より着工され、大型貨物船の接岸も近い。新しい臨港道路(霞4号幹線)もそのルート選考が進められ、港の整備もすすみつつあり、“海上アクセス”も平成17年3月開港予定の中部国際空港と定期船便にて接続されようとしている。この近い将来の陸・海・空の交通の要路要衝となる四日市市は、再び日本の中部圏の背骨を担う都市への期待は大きくふくらむといえる。この先は何が問題か。それは財政基盤の強化であろうし、新しくそして大きな規模の都市形成であろう。四日市の合併問題もここからも始まるのだ。
市道が中心の生活道整備や交差点改良、さらにバリアフリー促進も勿論一層努力していかねばなりませんが。

会報第9号(2001年9月発行)
従来より、日本の地方自治体は都道府県単位は47ですが、市町村単位の数はおよそ3,200余であまりにその数が多く、横浜市の380万余人口数のものから僅か数百人の村まで実にバラツキが甚だしいものです。従って市町村の合併論議は、いつもどこかでなされて来たわけです。しかし行政の効率論が急に浮上するに及んで、合併推進とか促進すべきの議論が国会でもはなばなしくなされ、四日市市もこの渦の中にあるわけです。人口30万都市は中核市と位置づけられ、自立都市として内からも外からも認められる、だから早く中核市になろうとの願いは市民の願いだとの声も聞かれるのは、この理由からでしょう。
しかし最近になって、この合併論はさらに一層白熱化し、合併の動きも加速されるのではないかという気配になって来ました。それは、地方分権の流れからとも言われ、或は小泉内閣誕生による聖域なき構造改革論議からとも言われています。地方で出来ることは地方にやってもらおう、或は地方はただひたすらに中央政府に依存するのではなく、出来る限り自立し、自活して、自らのまちは自らの智恵と力を発揮してつくり上げるべきとのかけ声となる。こうして県知事も、県下の市町村長に対し、合併の督励者になり、或いは県下の地域を「生活創造」の区域割りをして合併を督励する。例えば四日市市と三重郡4町(菰野、朝日、川越及び楠)とは、生活創造圏として一体ではないか、ゴミ・し尿・汚水処理や介護、その他もろもろの側面でも広域行政区域として互いに協力して共同処理をしてきた。だから一身一体となればもっと効率行政の実現ばかりか、良いまちをつくれること間違いないと。しかし、よくよく考えてみると、従来の市町村の区割りは、その地方の歴史を反映しており、住民の共同体意識の面ではこれを無雑作に一体化して、はたしてうまくいくのか心配も残すこととなる。ここまでは従来型の地方自治体合併論議の中身であったと言えよう。
しかし、8月15日付日本経済新聞の記事をみると、県同志の合併もありうる、いやむしろその道筋についての研究を具体的に始めようとの動きが中央政府に現れていたとの報道である。これは道州制も近いかとの見出しであったようだが、これからの日本は地方分権の流れは一層加速されるであろう。だとすると、四日市市も従来の市町村合併論議についても修正の余地も出て来よう。実は、皆さんも既に新聞報道で目にされた方も多いと思うが、鈴鹿市長が鈴鹿市議会6月定例議会にて、鈴鹿市の合併論について、従来の亀山市や関町との合併の検討に加えて、四日市市との合併の研究もしていきたいと答弁し、ニュースになったことである。当然わが四日市市でもどうかと尋ねられれば、従来パターンと併んで隣接の鈴鹿市との合併問題も考えていくと答えざるをえない。
この問題は実は効率論議のほかに、21世紀型のまちづくりは如何にあるべきかという議論の中身となるから、是非とも検討されなければならない。もちろん隣接の楠町、鈴鹿市と四日市市が一緒になると現在で人口は50万人弱となる。当然50万人超の都市となれば三重県最大というより東海地区の有力都市となる。まして道州制が夢でなく現実となると、岐阜、愛知と三重の三県が東海州ともなれば、その一角を支える都市となろう。まさに夢はふくらむ一方であろう。しかし、この合併論議で決して忘れてならないことは住民意思という根幹となる或は基本線といえる事柄の確認が大事であること、さらにこれと並んで次の事項が大事である。即ち、どんなメリットをにらんで、どんな具体的デメリットよりメリットの方がはるかに大きく、その結果住民の願うまちづくりが出来るかということであろう。人口が大きくなれば良いという単純な問題ではない。福祉・教育・災害対策と環境保全に合併によるメリットが多い。或は、中部地区はものつくりの産業集積地であり、21世紀の日本の産業を支えていくための背骨の地域となるべき四日市市は合併によってその集積を倍加し或はその活力を大きく伸展させる構造を作ることが出来るといったメリットが今こそ真剣に検討され、論議されなければならないだろう。
市町村合併問題にかかる四日市市の基本方針としては、8月1日既に発足させた「四日市地区広域都市研究会」があります。これは四日市市、三重郡4町、北勢県民局、四日市大学地域政策研究所のメンバーで構成されております。さらに秋に入って「四日市市・鈴鹿市合併問題研究会(仮称)」がスタートする予定です。これへも四日市大学の参加が予定されております。要は、平成17年(2005年)3月までに市町村合併を決めるならば国もいろいろ配慮して合併を応援しようとのことで、その逆に地方交付税削減論がにわかに現れたこともあり、合併から取り残された地方自治体はこれまで通りの国の支援が約束されるのかされないのかとの不安も高まってきているのが実情です。いずれにしても聖域なき構造改革の波は地方自治体にまで及んできつつあります。
会報第8号(2001年5月発行)
会員の皆様には、昨年暮れの市長選挙でご支援をいただき、心よりのお礼を申し上げます。2期目の市長選挙は変革の波が大きく押し寄せる中で、長引く経済不況に、わがまち四日市の再生問題が大きくクローズアップされるときに行われたともいえます。多くの市民より、1期目に引き続き頑張れとの激励をうけて、そのおかげで当選することが出来ました。感謝有るのみで、不退転の決意でこれまでの公約を果たす一方、まちづくりに精進する所存です。何卒よろしくお願いいたします。
さて、そこで、こんなお声をいただいた。
「新世紀に入って『四日市』のまちはどうなるのか市長にききたい。だって三菱化学エチレンプラントは止まり、松坂屋四日市店は5月まででしょう。」 こんな声に始まり、3月に以下の市政報告依頼が私のところへきた。
「四日市の活性化、
とりわけ
1.産業の町の未来図は何か
2.主要道路の行き詰まり打開策はあるか
3.中心市街地の空洞化対策
4.松坂屋の跡利用の内容は
5.JR四日市駅周辺の連続立体化事業は
6.港湾について
7.中部国際空港へのアクセス
に関して話してくれないか。それには、時代の流れはどんな方向か、そして四日市市役所が現在抱えている諸問題、そして置かれている地方自治体としての状況について、まず語らねばならない。いや、それはもう十分理解している。だから方向づけ、そしてやるかやらないのかを聞きたい。高齢時代の介護問題や少子化時代での教育や学校の問題もあるが、それよりも四日市の上記活性化問題について知りたい」と。
私も市長2期目に入り、去る12月議会やこの3月定例議会において、これら個別問題に関する質問にそれぞれ答えたところです。従ってそのいわばエッセンスを、以下要約して申し上げます。
市内の企業・事業所はそれぞれにリストラを含む構造改革問題をかかえ、大競争時代の中での生き残りをかけている。従ってこうした流れに即応して、企業活動の維持発展を目的として、昨年4月、企業立地促進条例を施行しました。その内容は新たに設備投資があるとき、一定の条件で、固定資産税や都市計画税の50%を3年間、奨励金として返還するものです。この条例施行の結果、1年間で既に6社8事業所の認定があり、今後もこの政策をつづけて、産業の活性化をはかっていきます。因みに、昨年7月、鈴鹿山麓リサーチパーク内に、民間のゲノム解析センターであるドラゴン・ジェノミクス(株)の立地が決定し、既に3月より一部の事業が開始されていますのも、こうした努力の現れです。
次に、空洞化の進む中心商店街の活性化策についてです。空き店舗が目立つことに対し、新たに事業を空き店舗で始めようとする人にその改装費用を補助する事業や、近隣大学の研究室を誘致し新たな賑わいを創り出すとともに、まちのシンクタンクにもなってもらう事業、そして、まちなか店舗外装整備への補助事業をやります。そして、諏訪公園内の子供の家(旧図書館)をリニュアルすることを前提に、その利活用の再検討をしていきます。さらに、松坂屋四日市店を含むアムスクエアは、魅力的な商業空間として、引き続き集客を高められるよう、次なるテナント誘致への取り組みを三井不動産に対し強力に求めていく方針です。
こうした駅前での商業・業務の中心を維持していく努力に加えて、中心市街地の定住人口を回復することも新たなる視点として重視していきたい。それには容積率の見直しがポイントになろう。例えば諏訪栄地区は従来より600%という四日市市では一番高い容積率地域であるが、狭小な敷地が多いことから高度利用ができにくい状況下にあって、その実をあげえない状況です。この点の改善や個別建物そして街区毎の容積率を緩和する措置も考えていかねばなりません。
次いで、JR四日市駅周辺の連続立体化事業については、見直しの必要から専門機関での調査(事業内容から費用そして効果)がなされており、これを待って検討しなければならない。この場合、立体化事業と土地区画整理事業の複合事業そのものへの見直しに入ることもありうる。港の整備事業と海上アクセス(空港との)についてはマイナス14メートルの岸壁工事の着工が決まり、それにともなう事業検討に入るところであるが、現実には既に6万9000トンの大型コンテナ船が毎週入港しており、活況を呈している。海上アクセスも、2005年3月空港オープンから逆算するとき、本年度にはその最終検討に入ることから、事業形態や事業内容(船舶やターミナルの管理運営も含み)の絞り込みが近い。こうしてまちづくりは新世紀に入り大きく踏み込むこととなろう。
中央通りと三滝通りの延伸問題は現時点では極めて見通しのつけにくい問題であり、後日のコメントとしたい。
なお、『少子高齢化の進行は本市でも例外であり得ず、子育て支援や高齢者福祉の分野に対する行政ニーズの拡大に対応するための財政支出増大は長期的に続く見込みである。そして臨海コンビナートを始めとする豊かな産業集積のおかげで過去に富裕団体であったがために、本市においては他の自治体に比べて職員をはじめ市民の中においても、依然豊かな時代の惰性に甘え、慢性的な経費膨張志向が根強いように見受けられる』との指摘を、私は委員会より受けており、一層の行財政改革に邁進せねばならないことは論をまたない。
このように、四日市の新世紀の扉を開く努力を重ねてまいります。会員の皆様におかれましても、尚一層のご支援ご鞭撻を賜りますよう心よりお願いいたします。
会報第7号(2000年7月発行)
私こと、この6月市議会最終日(6月26日)に次期市長選挙に再び出馬する決意を表明させて頂きました。既に新聞報道にて、ご存知のことと存じますが、11月末か12月上旬予定の市長選挙に、二期目続投をかけたいと決意した次第です。
これまで4年間、私は力の限り「変えなきゃ四日市」を断行してきたつもりですが、目に見える形で市民の皆様に受け留めていただき、ご期待に応えることができたかどうか、いささかの不安と反省もあります。が、しかし四日市を思う心、そしてさらに魅力・活力のあるまちづくりにかけたいとの熱い思いを止めることはできません。私の意をお汲み取りいただき、引き続き市政を担当させていただきますよう、皆様の力強いご支援ご協力をせつにお願い申し上げます。
以下は市議会での出馬表明です。
平成8年12月、市民の皆さんの暖かいご支援を頂き、市長に就任させて頂きました。以来、市議会議員各位をはじめ、市民の皆さんのご理解、ご協力の下、市民本位の視点に立ち市政運営に努めてまいりました。
この間、新総合計画の策定を行い、21世紀を展望した本市の街づくりの方向性を定めたところであります。また、厳しい財政状況の下、行財政改革に積極的に取り組み、効率的な行政運営に意を配するとともに、21世紀に対応できる新しい市民社会の構築に向けて情報公開にも取り組んでまいりました。
新しい世紀はもう目前にきております。21世紀はIT革命と呼ばれる急速な情報化、少子高齢化、地方分権の進展に伴う自己責任の拡大など、地方自治体を取り巻く環境は、ますます厳しく、市政の舵取りは慎重かつ大胆に歩むべき方向を見定め施策の厳選をして行かなければなりません。
私は去る3月議会の予算編成の方針の中で4つの重点課題について述べさせて頂きました。
つまり、
1.市民が豊かな情報社会を享受できること
2.市民が安全で安心して暮らせること
3.教育の充実と自主・自立した市民活動が展開されること
4.市民が生きがいを持って働くことのできる豊かな産業があること
であります。
今後は、市民本位、市民との協働によるまちづくり、信頼される市政運営をモットーに4つの重点課題を中心に据え、市政の着実な進展に全力で取り組んでまいる所存であります。私はこれらの課題の実現のために、再び市民の皆さんの負託を頂きたく、次期市長選挙に出馬をする決意をさせて頂きました。
市議会議員各位をはじめ、市民の皆さんのご理解をお願い申し上げます。
会報第7号(2000年7月発行)
三菱地所と丸紅は約4千社の企業が集積する東京の丸の内・大手町地区に、光ファイバーを張り巡らせる通信インフラ事業に乗り出すとの新聞記事が出た。これは国内最大のオフィス街の情報武装を一気に図るもので、光ファイバー回線を外資系や国内新電電などの通信各社に賃貸するほか、自ら主に企業向けのデータ通信事業を始める。丸の内を中心とする110平方メートル地内で約80棟のビルの林立する地区での話である。
また人体を形作り健康を機能させる「生命の設計図」であるヒトゲノム(人間の全遺伝子情報)の全体像が史上始めて明らかになったとの新聞報道もクリントン大統領の顔写真入り記事で伝えてきた。約30億文字からなるゲノムの86.8%が解読され、これが今後の画期的な新薬や診断法の開発につながり、生命科学や医療・バイオ産業を21世紀に向けて大きく飛躍させる「跳躍台」になるという。アメリカのバイオベンチャー企業のセレーラ・ジェノミックス社も約99%のヒトゲノムの解読を完了したとの発表がつづく。ヒトゲノムとは人間が持つすべての遺伝情報のことを指し、塩基と呼ばれる化学物質約30億個の配列として、デオキシリボ核酸(DNA)に記録されている。この中には、体を構成する蛋白質の設計図となる遺伝子の情報が十万個程度かくされており、さらにその中の数百〜千個の遺伝子はガンやアルツハイマー病などの医薬品開発に極めて有用と考えられている。
21世紀はIT(情報技術)革新や、バイオ・遺伝子産業への対応などということは、なんだか夢物語で、東京やニューヨーク、ロンドンといった世界的な大都市の話ではないかとの声をきこえる。が、しかし実は四日市も大いに関連がある。四日市桜地区の鈴鹿山麓リサーチパーク内には、今夏、日本の酒造メーカーと外資系企業との合弁企業が設立され、この遺伝子情報の分析・調査会社が誕生することになった。私達の住む街にも情報技術の革新の波は迫って来ており、その的確な対応がいまや必要なのだ。本当の話です。
市民が情報化の波の中で、豊かな成果を受けられるよう、そんなまちつくりにはげまねばならない。
会報第6号(2000年4月発行)
「経済はよくなるが、景気は悪くなる。それが日本の現状だ。」
こんなショッキングな書き出しで2000年の日本の経済予測をした記事がある。「経済」と「景気」は似て否なるもので、短期的な金回りの良さ悪さが景気であり、長期的・構造的に動かし、資金の流れを規定する仕組みが経済である。これは戦後の日本では経済のみが構造的に行き詰まるということがなかったがために、景気と経済は同一視されがちだった。が、ここに来て、経済も構造調整の時代に入ったといえる。過剰となった設備、債務、人員の調整という名の削減がなされると、新規の投資が抑えられ、倒産や失業が増える。それに個人消費の減退が追い打ちをかけてくる。これをどのように打開していくか、本当に困難な時代である。
四日市市の平成12年度の予算も華々しい面はない。人件費の高騰、公債費(借金支払い)の増加、そして、民生費も減らせないという状況では、誇れる内容の予算とはいえない。
3月定例市議会でも、こんな質問がなされた。
金が無いないと言っておらずに、毎年減少しつづけている法人市民税について、法人税割を現行の13.5%から制限税率の14.7%に、均等割を従来の1.2倍に引き上げて税収を増やしたらどうかと。これは市長の決断で出来るから時限をきってやれと。
今日の状況ではこの増税策は採用出来ないと答弁したが、質問者の頭には東京都の石原知事の外形標準課税の銀行への導入発表があったのかもしれない。企業も今必死の努力をして生き残りをはからんとしている。むしろ役所の人件費の増高ストップ策を考えねばならない。市長ほか二役の給与、手当、退職金のカットや職員給与の基本給に一律特別に上乗せしている調整手当をカットすることによって、右肩上がりの人件費にストップをかけようと努力している。
今は我慢のときである。四日市市も。市内企業・事業所の設備投資に優遇税制を敷いてその誘致・促進をはかる条例の改定や商店街の空き店舗対策を強力にするめる施策をする。このような努力の中で、一層のまちつくりに励むことである。
会報第5号(1999年11月発行)
国も地方自治体も、いまや財政再建は緊急課題です。そのためには行政改革は避けて通れません。スリムな行政組織に作りかえて次世代にバトンタッチすることこそ肝要です。
ところで、大蔵省は2000年3月末の時点で、国の資産と負債を分かりやすく示す「国のバランスシート(貸借対照表)」を施策し、国民に公表すると発表しました。民間企業が決算時に作成するバランスシートと同様のものです。しかも一般会計と、38の特別会計を合算したものです。
現行の会計手法、つまり単年度の歳入・歳出を記録するものでは、国の資産の実態がわかりません。つまり、かつてつぎ込んだお金の現在の価値が表に出てこないという欠点があります。
現行では特殊法人への出資金が目減りしても、会計上は表面化することはありません。しかし企業会計では投資や出資した証券は出来る限り時価に置きかえて評価する方向に進んでおり、資産の増減が鮮明になる仕組みです。アメリカなど先進国では国家財政のバランスシートはこれまで作成されてきており、日本も漸く追いつこうとする動きといえましょう。
さて、四日市市の財政はどうでしょうか。一般会計の市予算では、これを作成し議会にもこれを公表したところです。しかし一般会計にとどまらず、特別会計をも合算した連結ベースでの作成でなければ、債務残高と資産の関係や市の財政状況は鮮明にはならないでしょう。
そこで、特殊法人会計でありますが、四日市市の場合には、土地開発公社に問題があります。新聞やテレビでこのところショッキングな取り上げ方で報道されているので強い関心をお持ちの方も多いと思います。
「実勢価格、簿価の半値に、独自取得の土地で差損金82億」とこのほど報道されました。四日市土地開発公社がプロパー事業で所有している土地が売却時に差損が出ることはだれの目にも当然と見られていました。バブル最盛期、公社は土地を持っていればもうかるだろうとの考えから土地を買いあさり、不動産業者になっていたのです。地権者の言われるまま、用地や代替地を取得し、利用価値のない土地までも多数抱えるはめになりました。結局、帳簿価格の半分程度と再評価。売却や利用困難な土地と借金だけが残ったと新聞報道は伝えます。
この責任は重い。何故ならこの多額の差損の補填するのは税金以外にないからです。責任者の処分はどうするのかとの厳しい声もあります。私がここで言いたいことは、財政の再建のためには、財政状況の公表と、その健全化への対策の提言が不可欠だということです。
そしてなによりもどうしてこのような野放図な土地買い政策に走ったのかという反省を先ずすべきでしょう。四日市は産業都市、工業都市の雄だから、この時期に工業団地など将来のための用地確保が必須との考えがあったとしたら、時代の流れの把握の面で行政は猛省をしなければなりません。それに税金でしか所詮は穴埋めが出来ないとしても、それへの安易なプロセスは決して市民の納得するものではありません。世にいうケジメのつけ方が問われてきます。
ただ行政は連続しており、差損の原因行為はすべて前の政権のものだからと言って、このことを棚上げすることは出来ません。現政権の私が解決策を提示していかねばなりません。しかも市民の納得する内容で。これも「変えなきゃ四日市」です。
会報第4号(1999年7月発行)
景気はなお低迷中と言われ、住宅着工件数も下げ止まったようですが、失業率は男子で遂に5%台突入です。住宅といえば、つい最近外国で、日本人はいまだにうさぎ小屋に住んでいるとの報道がありましたが、大間違いです。新築プランには、100年ももつ家は建てられないかに始まり、お決まりの間取りから解放された自由空間や大収納庫も顔を出しております。そのうえ三層ガラスサッシで高断熱設計が施され、省エネが叫ばれる一方、高齢化時代の先取りか段差のない玄関まわりから広々とした浴室まで一見豪華でハイグレードなプランが眼につきます。要するに外見でなく生活の便利さと環境保護にも適合し、そのうえ高価値のものを望むところでしょう。 まちつくりも同じでしょう。床の間のある和室にこだわりを持つのか、住む人、住みつづける人々の望みに適う間取りは一体何かを考えなければなりません。経済の右肩上りの神話は終わり、猛烈なスピードで少子、高齢化がやって来て、そのうえこの数年は不況で税収は落ち込んで、企業も行政もリストラばやりです。生活者の視点での政治という言葉が言われてもう数年になります。大量生産・大量消費そして大量廃棄からの脱却も声高になりつつあります。わがまち四日市のまちつくりも、型どおりの間取りから始まる新築プランから抜け出し市民の発想、住む人の声から始まるまちつくりに着手しなければなりません。それが四日市の都市計画マスタープランであり2010年をにらんだ新総合計画の基本構想から来るものです。たたき台は出来ましたので、これから市民の声をきき、議会での議論を経て、自由空間エリアや三層ガラスサッシ、さらには床暖房まで配慮のまちつくりに着手したいと考えております。設計から施工まで市民がかかわることこそ、立派なまちつくりが実現する鍵なのです。市民活動は単なる行政のお手伝いであってはいけないのです。今日では公園の管理運営にも、道路の整備の一部にも、ゴミ問題や介護システムの一部にも、市民活動は一定の位置を占めております。そしてその輪は拡大しつつあります。 市民活動の必要なことが認識されるばかりか、その力量が発揮されている事実の認識も定着しつつあります。これがさらに進展するためには、役所と市民の間の信頼関係が一層強まること以外にありません。市政のガラス張り化がこの信頼を強めます。市政の中核、住民への務めには、道路、下水道、河川、さらには港等の整備に努める一方、学校、保育園、公園、介護施設、さらにはゴミ処理等サービスの充実化に努めなければなりません。そのためにはまず財源の確保です。 これが今日大きな転換点に四日市市は来ております。かつては臨海工業地帯として大きな税収入と確固たる雇用の場が四日市にはありました。しかしこれからはどうでしょうか。高望みは出来ないでしょう。 とすれば、どうするか。 私は新行財政改革大綱を作りました。昭和60年にも作られましたが、今回の内容は全く違うと言われるほどのものです。 一言で言えば、スリムにしてスピーディそしてサービスレベルを守る役所体制を確立し、一方では借金返済の拡大を如何にして回避するかの道すじです。 そしてその面での市民との信頼の強化のために、市財政構造をよりわかり易くするために、バランスシート(貸借対照表)の導入であり、外部団体や公営企業体(病院、水道、競輪等)も合わせた連結決算表つくりです。 これを的確に作り上げ、その情報公開により、市民のみなさんとの協働によるまちつくりに着手するのです。
会報第3号(1998年9月発行)
去る5月23日に井上哲夫市長の市政報告会を四日市市文化会館第3ホールで開催いたしました。今回は単に市長からの報告を聞くのではなく、市民の皆さんからご意見を言っていただこうと、このタイトルで、パネルディスカッションを行いました。
出演
井上哲夫四日市市長
パネラー
江崎生子(行財政調査会メンバー)
尾賀久夫(前連合自治会長)
北村好行(四日市商店連合会)
澤山政昭(元市政モニター)
司会
伊藤伸子(三重テレビアナウンサー)
敬称略
司会 まずゴミの問題について考えていきたいと思います。ゴミの減量化やリサイクルについて、尾賀さん、団地の自治会として取り組んでいることはあるのでしょうか。
尾賀 団地の三大苦情といわれるのが、ゴミ、ペット、違法駐車です。その中でゴミが一番深刻です。市民一人一人がゴミの絶対量を減らすということを心がけなければなりませんが、そこで、第一に「もったいない」という言葉を考えたいと思います。ものを大切にする心を見直してみたいと思うのです。その第二に、ゴミをゴミとしてそのまま捨てるのではなく、リサイクルを考えて処理をする、つまり分別を心掛けるのです。混ぜればゴミ分ければ資源ということです。私達の団地では分別の講習会を年1回開催したりしています。第三にリサイクルしたものを使うことが重要だと思います。今まだリサイクルものは割高ではありますが意識的に使うことによって初めてリサイクルという言葉が生きてくるわけです。以上三つについて行政にお願いしたいのは、まず啓蒙活動です。そして、次に率先垂範してほしいと思います。それを見て立ち上がる自治会がふえるはずです。第三にそういった自治会に対して具体的な支援をお願いしたいのです。例えば生ゴミを堆肥化する場合でも出来た堆肥を使う場所を考えていただく等をしていただきたいのです。
司会 「もったいない」という言葉は現在のような不況では見直されてきてはいると思うのですが、どうでしょうか。
澤山 うめたてゴミにまだまだ使えるものがあるんです。不況対策に内需拡大でもっと買えということとの矛盾をどう考えるのか問題です。確かに「もったいない」という言葉は死語になっていると思いますが、改めて考える必要があると思います。それと先程お話がでた生ゴミの有機肥料化についてもっと考える必要があると思います。経験的に家庭ゴミの内、生ゴミが50%です。これを堆肥化すればゴミは一挙に半分になるのです。しかも生ゴミは水分を含んでいてそう簡単に燃えません。焼却するのに相当の燃料がいるはずですから、堆肥化すれば燃料の節約、ひいては二酸化炭素やダイオキシンの減少、焼却設備の費用も節約できるんです。ただ、堆肥化はどうやって集めてまわるのかに問題があります。具体的には一戸建なら可能かもしれないですが、集合住宅の場合等はどうしたらいいのかといったことですが、できないといいだしたら何もできないんです。問題をどう解決するのか。例えば集めるのを市民グループでやってもいいのではとか、ゴミの収集の際に堆肥も回収する等いろんな方法が考えられるのであって、とにかくだめだといわないようにしなくてはならないと思います。
司会 堆肥化について市長は何か考えておられることはあるんでしょうか。
市長 今ちょうどその為の仕掛けを考えているところなんですが、市民の方に有機肥料化をお願いし、有機肥料を使う場所を農協や役所で考え、その場所で野菜等を作るグループを育て、できた野菜を配布する、生ゴミで連関させるシステムを考えていく必要があると思っています。今までであれば、市民部はどういう市民活動をしているかは把握していますが他の情報を持っていません。一方、農地の利用は商工農林部が、ゴミのことは環境部という具合に、それぞれが別の行動をとっていたわけです。いわゆる役所の縦割り行政を打破してそれぞれを関連させて機能させることを目的としたプロジェクトチームを設けて先程いいましたシステムを具体化しようと思っていますので、もうしばらくお待ち下さい。
生ゴミに関連してショックなことを申し上げると、食べ残しが一人一日250g、全国で一日40万トンあるそうです。さらにはスーパーで賞味期限がすぎたものが含まれ、それらがすべて焼却場にいってしまうわけで、まさにもったいです。
生ゴミだけでなく、先程澤山さんがおっしゃったように、埋め立てゴミの中にまだまだ利用できるものがあるのです。市民の皆さんで「もったいない会」を作って、技術をもつ方で修理や整備をして、毎月第4日曜日に開かれるよっかの市に出して、リサイクルするっていうのもとても面白いではないでしょうか。
司会 食べ残しが40万トンはショックですね。地球上には食べるものがなくて子どもたちがどんどんなくなっていく国もあるのに何と罪作りではないですか。でも、そういった情報も教えてもらわないければわからないわけで、その意味でも教育の重要性を考えなくてはならないと思うのですが、江崎さん、どうでしょうか。
江崎 各人が努力しなければできないということ、誰かがやってくれるでは済まないことを自覚することが先ず大切だと思います。私一人ぐらいやらないても、ではなく、老人なら老人のできる範囲で、家庭人であれば家庭でできる範囲という具合に、まず第一歩は身近なところから始めなければと思います。そういったことを学校を教えてくれればいいという意見もありますが、学校の先生と子供の接する時間は少ないのです。どうしても家庭でのしつけが重要になってくるのです。昔はご飯つぶをこぼせば目がつぶれるといわれていましたが、科学的な根拠が有るわけではなく、そうやって物を大切にしなければいけないとしつけてきたのです。先程から何度もでていますが、もったいないということを家庭で子どもたちに教えてほしいと思うのです。
さらに、リサイクルのことですが、機械物は今は修理するより新しいのを買う方が安いんです。技術をもった人がボランティアで修理やアドバイスしていただければまだまだ使えるんです。他の分野でも農業やったことのある人が家庭菜園のアドバイスをするという風に、教え合うこと、助け合うことの大切さを考えていかなければならないと思います。
司会 確かに私一人ぐらいやらなくても、といっていれば前にすすみません。他の人がやらなくても自分はやるんだということが大切ですね。家庭でも親が率先して行動を起こすことがしつけに繋がっていくと思うんです。その家庭からお隣へ、自治会へ、市全体へ行動が広がっていけたらいいんですが、どうでしょうか。
北村 回りの人に声をかけて広げていくことが大事なことだと思うんです。それが今評判のNPO活動につながっていくんだと思います。夢を描けるようなものでもありますが、一方では、実際には痛みというか、苦労を伴うものだと思います。でも是非やってみたいと思うんです。
司会 例えばゴミをマイナスイメージでとらえるのではなく、新しいことをはじめるきっかけととらえて実際に行動することが大切だと思うのですが、北村さんのような若い方にリーダーシップをとっていただいてやると同時に、最初に市長さんからでました元気な高齢者の方にも活躍していただきたいと思うのですが。
尾賀 高齢者は助けられるだけでなく助ける側にも回れるんじゃないかと考えています。足りてる人が足りない人を、お互いを助け合うことがこれからは重要になってくると思います。
司会 そういった新しい考え方もでてきているんですね。それと同時に高齢者のことを考えた街づくりを心がけなくてはいけないんですね。
市長 一番言われるのは病気になった高齢者の介護の問題ですが、これは介護保健が平成12年度からスタートします。一方、元気な高齢者の問題があります。遊ぶこともいいんですが、一定の役割評価をされる仕事を考えることが重要だとおもうんです。例えばシルバー人材センターというのがあるのですが、まだまだ内容的には充実しなければいけない問題があります。
江崎 シルバー人材センターに物を頼んでもなかなか手続が大変で、もう少し簡単にならないかなと思うんです。市にひとつではなくそれぞれの地域に拠点があって、替わりに買い物にいって上げるというような簡単な仕事を預託するとか、地域で親睦を深めるためにそれぞれが技術や知恵を持ち寄っての会食とかを考えてたりして、お互いの能力を活かし合うことが仲良くなれる第一歩だと思うのです。そういう組織づくりがしたいのです。それがひろがれば場所を提供していただいたりもできるんです。
市長 市民の組織については、市役所にNPOの専従の者をおきました。現在市民の方に寄っていただく場所というか拠点となる場を検討していますのでご期待下さい。
司会 そこがいろんな活動の情報交換の場となると素敵ですね。一方核家族で一人住まいの高齢者の問題も深刻だと思うのですが。
市長 ある地域では電話を掛け合う、自転車の距離で見回るという組織作りをしている所もありますが、一緒に食事をしたりデイサービスを考えたり、災害時の連絡網を確立しなければという地域もあり、そういった情報を皆さんに流して地域ごとに地域の実情にあわせて考えていけたらと思うのです。
北村 中心商店街が衰退しているのが現状で、お年寄りにとっては、車で郊外の大型店に往くよりは身近な所へいけることが大切だと思うのですし、そういう観点で街つくり商店街づくりを考えても面白いんではないかいと思うんです。中心市街地活性化法ができるのですが、例えばお年寄りが利用しやすい商店街、車がはいれない商店街なんかを考えていってもいいのではないかと思います。
司会 街の活性化と高齢者問題をドッキングさせて考えることは大きなメリットがあると思います。
話を元にもどして公園のことなんですが、皆さんはお近くの公園に愛着はおありなんでしょうか。
会場 第三セクターに管理をまかせるのではなく、地元のものにまかせてほしいんですが。
澤山 市長が地元に委託するのではなく、逆に市民の側から管理も任せろとか、レイアウトも好きにさせろと言っていただくことが大切で、何でも役所の方でやってくれではいけないと思うんです。
会場 自分達でやりたいと声をあげたんですが、市からは第三セクターでやるとの返事があったんですが。第三セクターは退職職員の受け皿ではないんですか。
会場 知的障害者の自立の為に公園の管理をやらせてもらえないでしょうか。市では第三セクターもしくはシルバーに委託しているとのことですが、お年寄りと障害者の交流という観点からも是非お願いしたいのですが。
市長 地元密着型の管理に替えていけば地元の人の愛着心もまし、管理委託費で地元も潤い節約にもなるというように一石二鳥が三鳥にもなるので是非推進したいと思っています。今までの行政では対応できなかったのですが、行政の体質改善は是非ともやらなければならないと思っています。そのことで1年半を費やしてきましたが、まだまだ道半ばの観があるのが現状です。しかし今日のようなこういう会合をもちますと、市民の生の声が天の声のように的を得ているわけです。市民の活動の芽を摘んでしまうようなことがあってはいけないと思います。なれないことなので最初はうまくいかなくても市の担当が手助けすることによって解決するのであって、市民にどんどんゆだねてゆくことが大切だと思います。
会場 役所の体質を変えるのであれば、市民の方に顔を向け、血の通った動きを率先してやってほしい。そうであれば市民の方も行政の手助けにも参加しやすくなると思います。役所の組織作りも、今や女性パワーの時代ですから、それを活かしたものにしてもらえれば、面白い組織ができるのではないでしょうか。
会場 意識のビッグバーンを四日市発のメッセージとして市長にやってほしいと思うのです。それは、高齢者問題でいえば、回りから定年過ぎたような老人は何もできないんだという潜在意識、又逆に老人の側で誰かに助けて貰わなければという意識ではいけないと思うのです。老人でも企画力は衰えるものではありませんから、それを活かした組織でなければならないと思うのです。ゴミの問題についても、景気浮揚と言われる時代であってそれに乗ってしまってはどうしようもないことで、生活水準を少し前に戻すことでゴミの出方も大いに変わってくると思うのです。このような意識改革を四日市から発信してほしいと思うのです。
澤山 老人パワーを活かすのは同感です。無気力無感動の老人は回りが邪魔者にして何もさせないことに起因していると思うのです。老人に役割を与えてほしいのです。一つの試みとして、心の祖父母制度を提案したいんです。悩んでいる子供達の相談にのるべき親は仕事に振り回されている現状で、老人の長い経験が生かしてそういうものを考えればいじめなんかも無くなると思うんです。
会場 逆に子供達に教わるんだという気持ちも大事だと思います。何事もしてあげるではなく、一緒に勉強するという態度が重要だと思います。意識のビッグバーンもそこにあるのです。
市長 たいへん勇気付けられる思いです。四日市は産業都市ということで比較的に若い世代が多かったのですが、今や高齢化してきています。意識の改革は是非ともやらなければならないと思いますし、そのために高齢者シンクタンクみたいなものを考えたいと思います。最近は例えば中心市街地活性化についても運動という言葉を使うようになってきました。つまり運動とはいわばしつこく年がら年中目標に向かって多くの人が力を合わせてやることです。今日のように例えばYYウェーブ21のような運動体を作って何かをやっていただけることは非常にけっこうなことだと思います。役所が学ばなければならない所はそこなんです。
北村 若い世代が本当なら考え実行しなければならないのですが、仕事に追われているのが現実です。自分の子供達が住む街を作っていかなければならないという責任を感じなければいけないと思うんですよ。意識して動かなければいけない、そのためにもこういう集まりには積極的に参加し意見を述べなければと思います。今日は教えられることばかりです。
会報第2号(1998年3月発行)
2月13日(金)静岡県掛川市のホテルの会議室でのことでした。 全国95の市町村の首長の集まる中で、「本日出席の三重県四日市市長の挨拶を頂きます」と司会より紹介されて、私は「コンビナートの街、工業都市四日市の認識の皆様に、四日市は丘陵地に実に830ヘクタールの茶畑を持ち、かぶせ茶では毎年品評会で大臣賞を独占しており、緑茶の大生産地です」と挨拶しました。
これは何の会議の話だかおわかりですか。 実は、全国茶サミット大会での出来事です。 あの宇治茶で名高い京都府宇治市でさえ100ヘクタールしか茶畑を持っていなくてオブザーバー参加の大会でした。
四日市水沢地区には、春は新緑の茶畑、そして夏場は黒いネットをかぶせた茶畑、そして防霜ファンの林立する風景がみられます。同じ地区には晩秋に最高の紅葉をみせる“もみじ谷”、ハンググライダーでも名高い鎌が岳、清らかな岩清水を集めた宮妻峡、自然歩道とキャンプ村、さらにはふれあい牧場や星の広場があります。茶畑とそして四日市が世界に誇るアイセット(国際環境技術移転研究センター)の桜並木の中で、市民マラソン大会が昨年から始まり、今年も、新茶の香りと満開の桜に彩られたマラソンが今から楽しみです。
日本一情報公開の進んだ四日市。 そして空気も水もおいしく、緑豊かな四日市。 全国一の緑茶や有機野菜そしてメロン、シクラメンも作られる四日市。
なんと『発見』があって楽しい街ではありませんか。
財政的に苦しくても皆で智恵を出し合って乗り切る事が出来ると信じていますし、NPO法案も近く国会で成立する見込みです。 営利を求めないさまざまな市民活動もぞくぞく生まれそうです。 みなさんとともにすばらしい21世紀の街つくりを !
会報第1号(1997年11月発行)
昨年の小雪の散らつく寒い夜、皆さんの熱い熱いご支援をいただいて当選させていただき、皆さんと共に味わったあの感激の瞬間は今でも鮮やかによみがえり、私も家族も絶対に忘れておりません。
そして、市長としてこの1年はあの瞬間が私の心の糧でした。皆さんの変わらぬ応援を肌で感じことが出来ましたのでつらいと思ったことは一度もありませんが、しかし、苦しい毎日でした。来る日も来る日も「変えなきゃ四日市」を心に刻んで過ごした日々でした。
まだまだ変わっていないとお叱りも聞こえます。市役所も昔のままだと怒りの声も届きます。市民の皆さんは、厳しい経済環境を、社会常識やライフスタイルの変化を、敏感に受け留め、何でも欲しい欲しいという気持ちから、自分達で作ろう、汗をかこう、そしてまちづくりにしても役所に任せておけばよいというのではなく、役所と協力して自分達が主役になってやりますよとの声に満ちております。ゴミの分別も、街路の清掃も、さらに介護体制も。私は毎日毎日四日市中をまわって皆さんのその心意気を肌でしっかりと感じております。この市民の皆さんの心意気を、私は3,400人の市職員全員に伝え意識改革を促さなければなりません。この意識改革という仕事は信念と愛情と何よりも根気のいることだと自分自身にいつも言い聞かせながら一生懸命取り組んでいます。
又、どうしても皆さんに理解していただきたいことは、四日市市の財政状況のことです。2,000億円を超える負債を抱え、税収が基準以上あるために地方交付金を貰っていない四日市市にとっては、まさに大変な状況です。その上に今後数年間は税の増収も期待出来ない中で、財政再建は至難のわざですが、何としてもやり抜かねばなりません。私は市の職員にも「お墓の中から子どもや孫にあやまる事は出来ないのだから、財政再建に今必死で取り組まなければいけないんだ。」と事あるごとに言い続けています。そのためには、役所のやっていること、考えていることを、出来得る限り市民の皆さんに知ってもらい、皆さんのご協力を何としてもお願いしなければならないのです。
最後に、先の宮城県の知事選挙でも一年前の四日市と同じで、草の根の住民パワーが勝利しました。市民社会実現の足音は、確実に四日市に、宮城県に、聞こえてきています。一人一人の個人の力は弱く小さいようですが、自立した個人の力は実は本当に強いことが証明されたのです。
私も苦しい時に、皆さん一人一人の顔を思い浮かべると勇気が湧いてきます。希望が見えてきます。私の元気の源である皆さんの変わらぬあたたかいご理解と熱いご支援を心からお願いいたします。